「AIを活用したいんですが、何から始めればいいか…」
この一言を、私はここ数年で何度聞いたかわかりません。
経営者からも、IT担当者からも。業種も規模も違うのに、みんな同じ場所で立ち止まっています。
「何から始めればいい?」——その問いが、すべての出発点
その理由は、実はシンプルです。「AIで何をするか」を考える前に、「何が問題か」がまだ整理できていないからなんですね。
AIツールは今、驚くほど手軽に使えるようになりました。ChatGPTに話しかければ文章が出てくる。画像生成ツールを使えば一瞬でビジュアルができる。
でも、「業務効率化にAIを使いたい」という漠然とした目標のまま動き出すと、たいていこうなります。
- ツールを試してみたけど、何に使えばいいかわからなかった
- 担当者が使い始めたが、定着しなかった
- 導入したのに、現場が使ってくれない
これらに共通するのは、「問題の定義」が抜けていることです。何を解決したいのか明確でないまま、「とりあえずAI」で動くと、道具だけが増えて現場は変わらない。
では、どこから始めればいいのか。私の答えは、「現場に入ること」です。
この記事の内容をGoogle NotebookLMで動画にしました。併せてご覧ください。
FDEとは何か——コンサルでもエンジニアでもない、第三の役割
FDE(Forward Deployed Engineer)という言葉は、まだ日本ではなじみが薄いかもしれません。
直訳すると「前線配備エンジニア」。
コンサルタントのように提案書を作るわけでも、エンジニアとしてシステムを構築するわけでもない。
顧客の現場に常駐・密着しながら、課題を一緒に掘り起こし、その場で解決策を動かしていく、そういう役割です。
私がこの仕事に向き合うとき、いつも意識していることがあります。
「ツールを売りに来たのではなく、あなたの現場の問題を解きに来た」
この姿勢が、FDEというポジションの核にあります。
課題は「現場」にある。AIより先に、人の話を聞く
初めてお会いする現場で私がまずやることは、「話を聞くこと」です。
どんな業務で困っているか。どこに時間がかかっているか。誰が一番しんどい思いをしているか。
こうしたことは、会議室での報告書には出てきません。
現場の人と話して、実際の作業を見て、初めて「本当の問題」が見えてくる。
たとえば、「資料作成に時間がかかっている」という相談でも、実際に話を聞くと「情報が社内に散らばっていて、毎回探すところから始まる」という構造的な問題が出てくることがある。そうなると、解くべきはAIライティングツールではなく、情報の整理と検索の仕組みそのものです。
問いを正しく立てる。それが、課題解決の9割を占めると言っても過言ではありません。
AIと一緒に考えるとはどういうことか
問題の輪郭が見えてきたとき、初めてAIが登場します。
私がAIを使うのは、「答えを出させる」ためではありません。一緒に考えるパートナーとして使います。
「この業務フロー、どこを自動化できるか」「この情報の整理、どう構造化すれば検索しやすくなるか」——そういった問いをAIに投げながら、選択肢を広げ、優先順位を絞っていく。
AIは万能ではありません。でも、正しい問いを持って使えば、思考のスピードを何倍にも上げてくれる道具です。
私はそれを、現場で繰り返し体感しています。
実際にどんなことをやっているか
具体的にどんな取り組みをしているか?
オフィスでは
- サポート切れのWindows 10 PCを廃棄せずに活用したい。→Linux Mintを入れてWindowsと共用
- IT機器、複合機などのビジネス機器の選定、提案、手配/調達、導入、運用まで一貫してサポート
- メール、電話、チャットなどの連絡/通信手段の適正コストでの選定。運用サポート。
- スケジュール管理、会議、経費処理、文書共有などのクラウド&AIでの業務効率化。
法律事務所や医療機関では、
- NotebookLMを使った所内/院内情報の整理 — 散らばった資料を「問いに答えてくれる形」に変える
- 機密性の高い法律相談票/問診票をローカルLLMと連動しながら管理
大学研究所では、
- 大規模調査データの集計、分析、データ解析
- 自由記述から洞察/解析
- レポートの作成(論文のベースとなる素材づくり)
これらについて、お客様の名前を出すわけには行かないのですが、このブログでお伝えしているAI、アプリ、サービスについての記事は、すべて、実際の現場で課題解決のために取り組んだ経験から生まれているものです。
「使い方」ではなく「なぜそれを使うのか」という文脈をいつも意識しています。
IT企業で研鑽を積んで、テクニカルライターとしてIT領域を書き続けてきた経験と、招聘研究員として大学に入り込み、外部役員として企業に入り込んでIT化を推進するなど、今で言う所の”FDE”として現場で動いてきた実践の両方が、このブログの土台にあります。
2026年4月より、情報環境コミュニケーションズ合同会社として、お客様の現場で起きている課題を解決するためにITとAIで、可能な限りの支援をさせていただいてまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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